発達障害は、脳の発達に関わる障害の総称です。主に以下のような種類が含まれます。
- 自閉スペクトラム症(ASD):コミュニケーションや対人関係の困難さ、興味や関心の偏り、感覚の過敏さや鈍感さ
- 注意欠如・多動症(ADHD):不注意、多動性、衝動性
- 学習障害(LD):読み書きの困難、算数の困難、書字の困難
これらの障害は生まれつきの特性であり、本人の努力不足や環境が原因ではありません。
発達障害の特徴と症状
自閉スペクトラム症(ASD)
- コミュニケーションや対人関係の困難さ
- 興味や関心の偏り、こだわり
- 感覚の過敏さや鈍感さ
注意欠如・多動症(ADHD)
- 不注意(集中力の欠如、忘れっぽさ)
- 多動性(じっとしていられない、過度におしゃべり)
- 衝動性(順番を待てない、考えずに行動する)
学習障害(LD)
- 読み書きの困難
- 算数の困難
- 書字の困難
発達障害の可能性を示すサイン
以下のような特徴が日常生活で目立つ場合、発達障害の可能性があります。これらの特徴がいくつか当てはまるだけでは必ずしも発達障害とは限らないため、医師による詳しい診断が必要です。
社会性に関するサイン
- 人との会話が苦手、または一方的になりがち
- 場の空気を読むのが難しい
- 友人関係を築くのに苦労する
- アイコンタクトが苦手
行動面のサイン
- 特定の話題や活動に強い興味を示し、没頭する
- 急な予定変更に混乱する
- 同じ行動や儀式的な行動を繰り返す
- 感覚刺激(音、光、触感など)に過敏または鈍感
注意力に関するサイン
- 集中力が続かない、または気が散りやすい
- 物忘れが多い、約束を忘れる
- 指示を聞き逃す、または理解するのに時間がかかる
- 課題や作業の優先順位をつけるのが難しい
衝動性や多動性に関するサイン
- じっとしていられない、落ち着きがない
- 順番を待つのが苦手
- 考えずに行動してしまう
- 過度におしゃべりする
学習面のサイン
- 読み書きに苦手意識がある
- 計算や数学的思考が苦手
- 文字を書くのに時間がかかる、または汚くなる
- 聞いた情報を理解し、記憶するのが難しい
発達障害と生きる大人たち
発達障害は子どもの頃から存在しますが、大人になってから気づく人も少なくありません。以下のような経験をしている方は、発達障害の可能性を考えてみると良いかもしれません。
仕事や人間関係で悩んでいる
- 仕事の効率が上がらず、いつも時間に追われている
- 同僚とのコミュニケーションがうまくいかない
- 会議や打ち合わせでの発言に不安を感じる
- 職場の雑談についていけない
日常生活で困難を感じる
- 家事や身の回りの整理整頓が苦手
- スケジュール管理が難しく、よく遅刻してしまう
- 感情のコントロールが難しく、急に落ち込んだり怒ったりする
- 趣味や関心事に没頭しすぎて、他のことがおろそかになる
自己理解に悩んでいる
- 「自分は周りと違う」と感じることが多い
- 努力しているのに成果が出ず、自己否定的になりがち
- 人生の方向性が定まらず、迷いが多い
- 過去の失敗体験にとらわれ、新しいことに挑戦するのが怖い
発達障害診断のメリット
発達障害の診断を受けることで、以下のようなメリットがあります。
- 自己理解の深まり:自分の特性を理解し、自己肯定感が高まります。
- 適切な対処法の獲得:特性に合わせた対処法や支援が受けられます。
- 周囲の理解と支援:職場や家庭での配慮や支援が得やすくなります。
- 社会資源の活用:障害者手帳の取得により、様々な社会資源を活用できます。
- 新たな可能性の発見:特性を「個性」として捉え直し、長所や才能を発見できます。
診断を受けるか迷っている方へ
発達障害の可能性を感じながらも、診断を受けることに不安を感じる方も多いでしょう。以下のような心配があるかもしれません。
- 「障害」というレッテルを貼られたくない
- 診断結果が周囲に知られるのが怖い
- 診断を受けても何も変わらないのではないか
- 自分の努力不足だと思われるのではないか
これらの不安は当然です。しかし、診断はあくまでも自分自身を理解し、より良い人生を送るためのツールの一つです。診断結果をどう扱うかはあなた自身が決めることができます。また、診断を受けないという選択肢もあります。自分の特性について理解を深め、必要な支援や対処法を見つけていく過程が大切です。
なぎクリニックでの診療について
当クリニックでは、発達障害に関する知識と経験を持つ医師が、丁寧な診察と評価を行います。診断だけでなく、その後のサポートも含めた包括的な支援を提供しています。
診療の流れ
- 初診・問診:詳しい症状や生活歴をお聞きします。
- 心理検査:必要に応じて各種検査を実施します。
- 診断:総合的に評価し、診断結果をお伝えします。
- 治療方針の決定:薬物療法や心理療法など、個々に合わせた治療計画を立てます。
- フォローアップ:定期的な診察で経過を確認し、必要に応じて治療を調整します。
まずは気軽にご相談ください
発達障害について気になることがある方、自分もそうかもしれないと感じている方は、ぜひ一度ご相談ください。診断を受けるかどうかに関わらず、専門家に相談することで新たな気づきや対処法が見つかるかもしれません。なぎクリニックでは、患者さん一人ひとりの悩みに寄り添い、その人らしい豊かな人生を送るためのサポートを提供いたします。まずはLINEでのご予約からはじめていただけます。あなたの一歩を、当院は応援しています。